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I Can't Win Forever

Anorak citylightsの日記部門です。

EARR

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2015年の末頃から今まで、自分はずっと闇の中にいるみたいだった。考えて悩んで試行錯誤して、出した答えがまた悪い方に転んで、もう全て投げ出してしまいたかった。音楽を聴いても楽しくない、新しいレコードを買っても嬉しくない。味のないガムをいつまでも噛んでいられるほどアホじゃなかった。とにかく毎日心の中でブラックフラッグのセカンドが鳴っているような気持ちだった。ジャケットのアイツがこっちを見ている。
そんな状況を打破したくて、僕はようやく重い腰をあげて行動することにした。動いている間は生きている実感が持てて、夜ご飯を美味しく食べる事ができた。
行動できたキッカケは9/19のKiliKiliVilla企画に行ったことだ。実に半年ぶりくらいにパンク現場に足を運んだ訳だったのだけど、色んな人が心配してくれて声をかけてくれた。それが凄く嬉しくて、何だか外の世界の暖かさみたいなものを感じたのです。
後日すぐに足利のCAR10企画を観に行って、10/22はlostage主催のライブイベント「生活」にNOT WONKが出たものだから、KiliKiliVillaクルーにスタッフとして混ぜてもらって芋煮を売った。旨かったなー。NOT WONKのライブは貫禄すら感じられるぐらい最高だったし、川田くんとか与田さん、福井さんと沢山話せて楽しかった。たまにはこんな日があってほしいし、なんなら毎日こんな日が続けばいい。
芋煮を作るために家に安孫子さんが来たんだけど、10代の頃からのヒーローが普通に家の風呂に入って自分の妻や娘と話している光景はめちゃめちゃ不思議。でも最高。生きるって最高だよね。
KiliKiliVillaブースの横で出店してたモルタルレコードでDischarming manの新しい7インチを買った。会計をする時に店長の山崎さんから「もしかして、アライくん?アライくんだよね?」と言われて、誰だよって思ったけど元気よく「はい!アライです!」と答えておいた。僕の事はこれからアライと呼んでください。
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My First Stroke

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とにかくSTROKESについて書いておきたい。正確には、彼らのセカンドアルバム「Room On Fire」について書いておきたい。

ルーム・オン・ファイア

ルーム・オン・ファイア

説明不要なのは百も承知、STROKESといえば2000年代を象徴する重要バンドであり、その影響力はRADIOHEADも余裕で凌駕すると思っているところ。
本作がリリースされたのは2003年の10月。当時僕は18歳、高校3年生だった。パンクしか信じていなかった僕が本作を手にとったキッカケは本当に些細で、愛読していたクロスビート誌の新譜レビューで5点満点を獲得していたからだ。元々基準がユルユルで4点がデフォルトだった同誌のレビューだったが、満点を見たのは初めてだった。そのオシャレ臭プンプンなアルバムジャケットにも惹かれた。進路も決まり最早消化試合となっていた午後の授業中、僕は購入を決意した。高校生でお金がないくせに音源に対する購入のハードルは低すぎたよね。

購入を決意したその日の放課後、古河市イトーヨーカドーの新星堂に向かった。「もしかしたら入荷してないかもしれない。RADIOHEADのHail to the theifさえ入荷しなかった古河の新星堂ならあり得る」
しかし僕に選択肢は無かった。定期券で行けるCD屋はここの他にない。
少し緊張しながら足早に新譜コーナーに向かうと、棚の隅に鎮座する本作を発見した。天にも昇る気持ちだ。こんなクソ田舎の寂れたCD屋に似合わないモダンで洗練されたジャケット!アルバムを手にとると反射したケースにニューヨークの景色が映った気がした。

おばあちゃんから貰った1000円札を3枚出してCDを購入し、ポッポ(イトーヨーカドーが世界に誇るフードコート)で山盛りポテトを食べながら封を開け、ディスクをCDプレイヤーに突っ込んだ。
再生ボタンを押して間もなく、僕は失望した。
「全然良くねえじゃん…」
スッカスカのアンサンブルにやる気の欠片も感じないボーカル、単調なエイトビート
無理もない。毎日パンクしか聴いておらず、JAWBREAKERやCRIMPSHRINEに溺れていた18歳の少年にはまだSTROKESを理解するだけの素養は無かった。要するに、早すぎた。
「こんな事なら素直にコンドームでも買い溜めしとけば良かった」
少年にとってSTROKESはコンドーム以下。翌日、僕はクラスメイトの瀬川にアルバムを1000円で売った。瀬川は喜んでた。そりゃそうだ、世界的に注目されてる最新のロックアルバムが1000円だ。でも僕にはゴミだった。1000円で少し高級なコンドームを買った。

2004年、大学への進学と共に上京、世界が急激に広がり許容できる音楽の幅も広がった。
膨大な時間を音源のディグに使うようになり、とにかくどんな音楽でも聴いてみたかった。パンクから外の世界を見ようとしていた。借りていたアパートに程近い祖師ヶ谷大蔵DORAMAには毎日通った。中古コーナーからは毎日お宝ばかり見付かり、季節は収穫の時期を迎えていたのだ。ここで僕は再びSTROKESを発見する。
パンクが好きなゼミの先輩とキャンパスの噴水前で話していると、彼の口から意外な言葉が飛び出す。
「いやー、LeatherfaceとかLos Crudosよりも、やっぱSTROKESのファーストっしょ」
「STROKESってあのSTROKESっすか?僕セカンド聴いて大失敗したんすよ」
「マジ?確かにSTROKESはセカンドでスベったような空気出したけど、十分カッコ良いじゃん。てか、ファーストの方がヤバいから聴いてみ。」
Leatherfaceよりもカッコいい音楽があるのか?
半信半疑のまま直ぐにDORAMAに駆け込んだら案の定700円で売っていたよ、「Is this it ?」。
1曲目からぶっ飛ばされた。
「STROKESってこんなにカッコ良かったの!」
デザインし尽くされたタイトな音像の隙間から溢れる眩しい初期衝動の応酬。鼻歌のようなメロディは一発で耳に残る。パンクとは違ったベクトルから放たれる熱量。
18歳の自分がコンドーム以下だと判断した「Room on Fire」も買い直す。
あの頃とは全く違う風に聴こえる。何だかOrange juiceやMonochrome setやFeltの亜流にも見えるし、骨抜きになったtelevisionにも見えるし、少しトロピカルになったVelvet undergroundにも見える。とにかく色々な聴き方ができて、凄くタイムレスな空気を纏っているように感じる。こりゃ特別だ。
それからSTROKESは特別なバンドになった。
あれから彼等は何枚かアルバムを出したけど、僕にとっては「Room On Fire」だ。再発見から10年ぐらい経つけど、未だによく聴くし、これからも聴く。聴くタイミングによってどんどん聴き方が変わっていって楽しい。今の「Room On Fire」はジャングリーに成熟した平行世界のOrange juiceなんだ。明日はきっとまた別の何かに変わるんだろう。

Typical haircut

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先週の土曜日に地元のマイメン達とレイトショーでシンゴジラを観た。
僕の父がアメコミや特撮、SF映画の熱心なファンという事もあり、幼い頃からゴジラスターウォーズを半ば強制的に観させられてきたし、漫画の代わりにmarvel comicsを渡されてきた。英語が読めないから絵だけでストーリー展開を想像していたな。この行為が音楽の聴き方のひな型になった気がする。小学生の夏休みは毎日家で何かしらの映画を観させられていた記憶しかない。今思えば夢みたいだ。
シンゴジラは評判通り文句なしに面白かった。無人在来線爆弾の登場には多くのサラリーマンが涙したことだろう。僕達のクソッタレな日常の象徴による現実への反抗だと捉えた。成仏させてくれてありがとう。庵野監督、エヴァンゲリオン観てみるよ。
僕達は毎月1度程度レイトショーで映画を観て、その後バーミヤンで餃子をつつきながら映画の感想会をしている。これが何とも至福で、もはや感想会のために映画を観ている感さえある。学生時代の名残を惜しむように、僕達は時間と年齢を忘れて語り合う。この瞬間が永遠に続けばいいのにって思う。そう、今の僕達にとっては「深夜のファミレスで映画や音楽について語り合う」行為さえ非日常なのだ。おかしな話なんだけれど。平日と休日に流れる時間は別物で、それらが分かり合う事は決してない。本当の人生はどっちだ。シンゴジラのキャッチフレーズは「現実vs虚構」だけれども、それらが逆転すれば良いのになあって思う。

家に帰るとCAR10&GUAYSのスプリットと、chook raceの新譜が届いていた。ご飯を食べるより早く封を開け、PCに取り込む。

ROOM SHARE (スプリット・シングル)

ROOM SHARE (スプリット・シングル)

AROUND THE HOUSE

AROUND THE HOUSE

素晴らしい。染みる。グッとくる。最高。CAR10はどんどん変わっていく。「HUSKER DUみたいだよね。」って安孫子さんと話したことを思い出した。1年半くらい前か。その話をした夜に、川田くんの部屋でふたりがせっせとミックスに勤しんでいたのがGUAYSの7インチだったっけ。あの7インチも2015年めちゃめちゃ聴いたなあ。MIDNIGHT TVVINSの次回作にも期待してます。

chook race。レーベルはtrouble inmind。the chillsの影もちらつくね。アノラックとキウイポップの微妙なところを集めてピカピカに磨き上げたような素晴らしいポップソング集だ。全てのダメ人間集まれ。

Chook Race // Sometimes


現実はツラい。泣いて逃げ出したくなる瞬間ばかりだ。でも僕達はマトモでいようね。

Tranzophobia

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Anorak citylightsという音楽のブログを書いている宅イチローです、こんにちは。
この度、日記用のブログを作りました。僕も他人の日記とか読んで色々考えたり新しい発見をする事があるし、何より文章を書いて気持ちを吐き出す事が自分にとってのセラピーたりえると思い立ったのです。学生時代もそうやって自分を慰めていましたもので。
営業活動をサボっている最中におけるコンビニの駐車場とか、トイレでの排泄行為が長期化する予感に変わった時、つまらないホラー映画の中弛み等に読んでいただけると嬉しいです。別に読んでくれなくても全然大丈夫ですが。多分、そんなに前向きな事は書けないはずですので。

じゃ、前置きはこのぐらいにして(敬語調も終わりにして)、雑記していく。

僕は関東のとある銀行に勤めていて、そりゃもう大方の予想通りそれなりにツラい労働環境なのだ。毎日穏やかに慎ましく暮らすことを願っている自分にとって、選択ミスとしか言い様のない職場である。ただ、新卒から7年半勤めている銀行である、それなりに諦めていたつもりでもあるが、ここ1年くらいはずっと気持ちが安定せず、心置きなく眠れた日が1日もないような塩梅なのだ。
「このメンタルが定年まで続くのはさすがにヤバい」
そう思い何度も転職活動をしてみたのだけれど、他社から内定をもらう度に思い悩み、結局辞退してしまいまた苦しむという迷走をしているのである。
内定をもらっておいて何故思い悩むのか。それはそう、家族の存在が大きい。僕には愛する妻と幼い子供がいて、彼女達が不自由なく暮らしていけるよう努めなければならない。今の会社は給与や福利厚生が良く、転職すれば高確率で生活レベルを落とす事になり、それは父親として非常に不甲斐ない事だとも思うのだ。
「家族のため働くなら、どんな理不尽も我慢して頑張れよ」
みんな僕にそう言うのだ。分かる、よく分かる。多分殆どの大人達がやりたくもない仕事をやり、家族のため子供のためと折り合いをつけて働いているのだろう。
頭では分かっているけど、心では分かっていない。だから僕は毎日悩み苦しんでるのだろう。要するに、大人になれなかったのだ。多くの労働者が悩み諦め受け入れていく大人への通行手形を受け取る事ができず三十路を迎えてしまった。こんなに惨めで辛いな事はないだろう。どんどん成果を上げ出世コースと呼ばれるものを歩いていく同期を横目に、僕は未だに毎日悩みながら寝る前に聴くNOTWONKやCAR10の新譜に心を入れ込むのである。僕は憧れる。みんなのように大人になって、土日も嬉々として働き、会社のために人生を捧げる立派な大人になりたい。ああ、考えただけでゾッとする。
きっと気持ちが若いのではなく、単に幼いだけなのだろう。明日も明後日も上司の説教を聞きながら、次の給与で買うレコードの事を考えるのだろうか。まだまだ大人にはなれそうにない。つまりは苦悩の日々は続いていくって事。
そんな近況にシンクロするように、最近はroddy frame「the north star」やjames kirk「you can it if you boogie」、max eider「disaffection」等をよく聴いてる。roddy frameは勿論aztec cameraだし、james kirkはorange juiceの初代ギタリスト、max eiderはjazz butcherの頭脳だった。
いずれも、「若りし頃に瑞々しいネオアコースティックを鳴らしていた才人が、数十年の時を経て再び【あの頃】の気持ちで作り上げた老成と初期衝動が入り交じった素晴らしいアルバム」なのであります。aztec cameraはファーストだけじゃなく後期やroddyのソロ含めて全作マストだし、orange juiceもedwinだけじゃなくjamesのソロも抑えてください。jazz butcherはmax在籍時までで大丈夫です。今日はこの辺で。また書きます。

ザ・ノース・スター

ザ・ノース・スター


Roddy Frame - Sister Shadow

You Can Make It If You Boogie

You Can Make It If You Boogie


James Kirk - Krach Auf Wiedersehen

Disaffection (ディスアフェクション)(直輸入盤帯ライナー付)

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  • アーティスト: MAX EIDER (マックス・アイダー)
  • 出版社/メーカー: DIFFUSE ECHO(原盤:UK/Tundraduck Records)
  • 発売日: 2010/12/22
  • メディア: CD
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Nice Guy | Max Eider